レクスト・スピーカーの楽器的チューニング

レクストのスピーカーは、絶対に分解してはいけません。ご購入いただいたお客様には、ウーファーやツイーターの取付ネジを外さないことをお願いしています。レクストのスピーカーは楽器的なチューニングを施していますので、分解すると一発で低音が無くなったり、音像がみだれたりしてしまうためです。

こうご説明すると、「気密が失われるからですか?」とご質問がありました。気密は関係ありませんし、内部を見られたくないわけでもありません。あくまで、楽器的なチューニングが崩れるためです。

楽器的チューニングという概念は、従来のオーディオ界には無いものです。少しご説明しまよう。

例えば、ギターやベースの場合、ネックとボディーをネジ数本でジョイントしてあります。このネジを検討してみましょう。単にネックとボディーを強固に結合させているだけではなく、ネックの仕込み角度を決定づけている重要なネジなのですが、それを理解せずに分解してしまうと、元の音色には戻らなくなってしまいます。ネジという誰もが触れることのできる機構ながら、勝手に触ってはいけない場所なのです。

ネックの仕込み角度を含めた、ギターやベース全体のチューニングを理解している人ならば、このネジを外しても元に戻すことができます。

これと同じようなことが、レクストのスピーカーには存在します。例えばウーファーのネジ×4本ですが、私は全てを理解していますので、外して再組み立てが可能です。しかし、スピーカー全体のチューニングが分かっていなければ、触ってはいけないネジなのです。

先日、バージョンアップの際にお客様より送られてきたRQ-F7のひとつが、不正にユニットが外されていました。普通はバージョンアップをお断りするケースなのですが、今回は特例として有償修理で対応することにしました。

不正改造されたRQ-F7は楽器的チューニングが酷く崩れていたのはもちろん、どういう意図かわかりませんが、片方のウーファーユニットのみ45度回転させて取り付けてありました。もう片方のウーファーユニットは外した形跡はあるものの、正規の向きです。レクストでは、ユニットの取り付け向きに関しては入念に検討していますので、楽器に例えるならばボディーに対しネックを45度曲げてて取り付けるようなもの。いかに不自然な状態か想像いただけるでしょうか。これでは位相がゆがんでしまって当然です。

この不正改造の状態での動画を撮影しておきました。合体ウーファーRQ-P8は接続せず、3つの動画ともスピーカースタンドとしてのみ使用しております。


RQ-F7をバージョンアップする前に、不正改造を元の状態に戻さなくてはいけません。天然木ウォールナットのネジ山の状態が非常に良くない状況でしたが、なんとか修理できました。音質修復が完成した状態の動画です。


上の2つの動画を比較すると、音楽の立体情報を再現するという意味をご理解いただけるのではないでしょうか。エレキバイオリンの音像の結び方に着目して聴いてみてください。スピーカーの楽器的チューニングを修復したのみで、パーツ等の交換は行っておりませんし、音量など全てのセッティングが両動画では共通です。

そして、無事に完成したRQ-F7のバージョンアップ。ずいぶん遠回りしました。吸音材ほぼゼロのバージョンアップ効果は絶大です。


有償ならば、どんなレクスト・スピーカーでも修理するとはお考えにならないでください。お断りするケースもございます。不正改造されたスピーカーは、私たちスタッフにとって悲しみ以外のなにものでもありません。レクストの楽器的チューニングが触れるのは、レクストだけです。今回の比較動画で、少しでもこの意味が伝わればと思い、公開させていただきました。
2013/08/27(Tue) 16:50:20 | スピーカー

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