SH-SP7 鳴らし方のコツ

新スピーカーSH-SP7をレクスト東京試聴ルームで聴いて、低音に不満を持たれる方は少ないと思います。しかし、ステレオ誌のレビューでは、低音が少ないとの評価でした。低音の表現につきましては、SH-SP7開発において最も厳しく注力したポイントです。実際、出すぎる低音が、音程感のある弾むような低域再現に昇華したとき、SH-SP7の完成を実感した瞬間でした。

ステレオ誌での評価は、実際の試聴現場では、間違いなく低音不足と感じる音だったのだと思います。その原因は、先日の懇親会で鈴木裕さんや山本博道さんに推理していただき、懇親会参加者全員が納得できる解説をしていただきました。雑誌のレビューとは、なかなか難しいものです。

SH-SP7の低音再現。もしかすると、ユーザーの皆様も苦戦されているポイントかもしれません。SH-SP7は、床を揺らすような低音は出ませんが、音楽に必要な低音は十分に再現可能です。セッティングの勘所を解説します。

まず、ツイーターです。下記の計測結果を見てください。(クリックで拡大します。)ホーンツイーター並みの立ち上がりがグラフから読み取れますし、実際の音もそう感じます。

ツイーター特性

SH-SP7では、このツイーターをスパイス的に使用し、なおかつ角度を少し上へ向けています。とはいえ、立ち上がりが早く飛びの良い高域ですので、一般のスピーカーのように内振りにセッティングするのはお薦めできません。ツイーターを耳に向けてセットすると、飛んでくる高域に引っ張られ、『高音が強め=低音が弱め』に感じます。SH-SP7は、説明書にあります通り、内振り無しのフラット・セッティングでまずは聴いてみてください。

sp708191.jpg

次に足回りです。SH-SP7は、インシュレーターを入れないのがお薦めです。まず、断面図を見てください。

sp7cut.gif

ダクトの上側で、スピーカーが一旦完結している様子が分かります。キューブ型の箱の側面と背面が延長されダクトを形成し、そこにブラックウォールナット一枚物の底板が付くエンクロージャー構成です。

sp708192.jpg

一般的なインシュレーターの効果に、“底板を鳴かせるかどうか”という選択があります。SH-SP7では、『ダクト上側の板=第一の底板』が、すでに鳴かせてある状態です。これを、どっしりとした『15mm厚のブラックウォールナット無垢底板=第二の底板』が支えます。

第二の底板をインシュレーターで浮かせると、SH-SP7は低音が少なめになります。これは第二の底板がSH-SP7全体を支える構造であるためで、ここはベタ置きを推奨します。15mm厚のブラックウォールナット無垢一枚板という、最高級財のボードにスピーカーが乗っかっていると想像してください。底板としてこれ以上の良材は考えられませんので、他のボードやシート、インシュレーターなどは一旦外して、SH-SP7を聴いてみてください。

また、振動遮断という一般的インシュレーターの目的も、SH-SP7は自身のエンクロージャーだけで振動コントロールが完結されるよう開発しましたので、他の材が介入してのセパレートは無いほうが好ましく、ベタ置きを推奨します。

内振り無しとインシュレーター無しで、上手くSH-SP7をセッティングできると思います。SH-SP7は、オール無垢エンクロージャーに高性能ユニットを搭載していますので、一般的スピーカーとは少々使いこなしが異なります。その勘所さえ分かれば、こんなに扱いやすく鳴らしやすいスピーカーはありません。初めて本格的なスピーカーに挑戦される方にも、自信を持ってお薦めします。

小さなスピーカーですから、いろいろとセッティングを試してみるのも、オーディオの醍醐味です。分からないことがあれば、お気軽にお問い合わせください。一緒に上手くいく方法を考えていきたいと思います。
2009/08/19(Wed) 16:29:55 | スピーカー

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