新スピーカー#2

SH-SP7のエンクロージャー製作をお願いしている工房フリークさんより、ウォールナット材の画像が届きました。SH-SP7に使用されるウォールナット材は、端切れ材の寄せ集めではありません。長さ:2600mm×幅:約500mm×厚み:約60mmという巨大な最高級ウォールナットから板取りされていくのです。

walnut.jpg

さて、本日はSH-SP7の内部構造に迫ってみたいと思います。

#2)『エアー・スリット式』

SH-SP7は、底面が幅:202mm×奥行き:167mmと、17cmウーファー搭載スピーカーとして非常に小型サイズ。一般的な12cmウーファースピーカーよりも、小さいくらいです。このような小さな箱で、明瞭かつ朗々とした低音を再生するのは難しい問題。しかし、楽器として考えると、どうでしょうか。例えばヴァイオリンの低音は、非常に魅力的です。実現のためには、教科書通りのスピーカー設計は通用しません。“小さなスピーカーでも、楽器的アプローチで、美しい低音が得られるはず”という確信を持ち、SH-SP7の開発は進んでいきました。

SH-SP7の断面概念図です。

sp7cut.gif

正面下に見えるダクトは、後方よりテーパー状に広がっています。背面付近のスリットが、極端に狭いのが特徴です。一般的なバスレフ・ダクトとは、概念が異なるのがご理解いただけると思います。

スリットの入り口付近は、H:約1mm×2ヵ所の細いスリットになっています。ウーファー後方に流れる背圧は、この細いエア・スリット2ヵ所から、フロント下部へテーパー状に広がるダクトに放出されます。

スピーカーBOX内部の空気は、エアースリットで給排気に対し強いブレーキがかかる仕組み。スリットから漏れ流れるエアーは、テーパー状のダクトにより前方へゆるやかに拡散されます。バスレフダクトと趣が異なるのは、SP-SH7のフロントから風がほとんど放出されないことからも確認できます。

エアースリットは、楽器のように調整が非常に難しいですが、その効果は絶大です。音質は、密閉式ともバスレフ式とも少し異なり、まるでギターやチェロ、コントラバスを彷彿させる魅力的な低音が、その無垢材エンクロージャーとの相乗効果で、自然に放たれるのです。

エアースリットの欠点を挙げるとするならば、超大音量再生に向かないこと。部屋を揺るがすような大振幅になると、スリットのブレーキが強く働きすぎて、音質バランスを崩します。大きな空気が箱の中で動くと、約1mmというスリットでは、風切りノイズが気になりはじめます。そういった意味でも、エアースリット式は小型スピーカー向きの設計手法だといえます。

このエアースリットが、新スピーカー発表イベントで参加された皆様を驚かした、SH-SP7の鳴りっぷりの良さの秘密のひとつです。従来からあるアイデアに工夫を加えただけですが、レクスト独自の調整を含めて、非常に良い結果を生み出しました。
2009/05/19(Tue) 16:37:48 | スピーカー

Profile

image
株式会社レクスト
0267-31-0889(Tel)
info@reqst.com

New Entries

Categories

Archives(2133)

Link

Search