仮想マスタリング手法

バージョンアップしたDAC-NS1MとDAC-NS1S。両機の登場は、オーディオの歴史の中でも革命的な出来事だと私は思います。お客様が来られると、普通のCDプレーヤーとDAC-NS1Sを比較試聴するわけですが、皆様一様に感嘆の声を上げられます。14型テレビを見ているような小さな枠に収まってしまった音楽と、コンサート会場で楽しむ音楽。それほどの違いが、CDプレーヤーとレクストDACの間には存在するのです。

DAC-NS1Sの登場により、今後の開発のモチベーションを維持するのが難しいほど、満足してしまう音楽を手に入れたのですが、ソフトによっては何か完全燃焼していない自分に気付くときがあります。それは、80年代後半くらいまでに生産されたCDソフト達です。レコード時代に感動して聴いていた音楽と、何か違和感が感じられるといった印象でしょうか。

この原因は判明しており、CD製作技術が発展途上であったことが一番に挙げられます。CD初期の思い出話をエンジニアさんから聞いてみると、当時はレコード主体であり、作品によってはCD用のマスターを用意するといった製作手順だったそうです。完成したマスターをデジタル化して、CD用のマスターを提出。CD用にEQしたりという、いわゆる近年の“マスタリング”という概念が出てくるのは、しばらく後になってからということでした。

逆に言えば、これは非常に興味深いソフトだということに気付きます。それは、当時はレコードとCDが同じマスターから製作されているという事実です。当時のCDソフトが音痩せしている状況を考えると、アナログからデジタルへ音楽を変換するときに問題が発生したと考えられます。もしデジタル変換が上手くいっていたと仮定するならば、レコードと同じマスターがノンEQで手元にあるとも言えます。

CD初期を考えると、おそらくA/Dコンバーターは、ひとつの機種であったと考えられます。そのデジタル変換が初期CDソフトの音痩せ原因と想像すると、ある種の音質改善雛形を作ってやれば、一律で当時の良質なマスターのサウンドを再現できるかもしれません。そう考えて試してみたのが、“仮想マスタリング手法”です。

この仮想マスタリングには、最適なアクセサリーが既にレクストには存在しています。CUBICシリーズ、特にDRESS-CUBICです。元々、SQUAREやCUBICというアクセサリーは、マスタリングエンジニアさんが行っているEQ作業を、電源を使わない焼物という手法でシュミレートしたものでした。ある意味、パッシブのイコライザーという感覚です。

オーディオの概念では、パッシブEQというとピンとこないかもしれませんが、実は既に音楽制作現場ではSQUAREやCUBICが積極的に使用されているのです。大手レコード会社のマスタリングエンジニアさんも、EQやコンプでは決まらないときに、DRESS-CUBICを活用しているとのことでした。CUBICだけでリマスターされた音楽CDが、もう市場に展開しているのです。

さて、ご家庭で行う仮想マスタリングです。使用する場所は、CDプレーヤーとD/Aコンバーターの間の、デジタルケーブル。レクスト試聴ルームでは、DAC-NS1Sの2系統ある同軸デジタル入力を活用して、COAX-1がトランスポート直結、COAX-2が仮想マスタリング経路というふうに使い分けて、トランスポート側のデジタル入力を差し替えています。

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それでは、仮想マスタリングの勘所をご説明します。第一段階は、DRESS-CUBICを1個だけ使用。敷く位置によって効果を調整することができ、D/Aコンバーターに近いほうが効果が強く出ます。80年代後半くらいまでに製作されたCDソフトに試してみてください。ドンシャリで音楽が薄く感じられていたのが、肉厚に変化すれば成功です。

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第2段階は、DRESS-CUBICの下にRS-SQUAREを追加します。これが、最も推奨できる、万能タイプの仮想マスタリングです。DRESS-CUBIC単体のときよりも改善効果が高く、よりレコード時代のイメージが取り戻せると思います。フライデーイベントでは、聖子ちゃん・明菜ちゃんや、杏里さんなどで大成功でした。

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ちょっと変化球として、DRESS同士の組み合わせもご紹介します。DRESS-CUBICの下に、DRESS-SQUAREを敷く技です。DRESSシリーズは、60〜70年代音楽を楽しむために開発しましたので、このコンビネーションは70年代以前に録音されたソフトに最適です。『KIND OF BLUE』などの60年代ジャズは、イベントでも凄く良い結果が出ました。RS-SQUAREのときよりも、さらにヴィンテージ感が増します。

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失敗したときの判別が凄く簡単なのも、この仮想マスタリングの良いところです。成功の場合は、音楽が活き活きと変化しますが、失敗(=マッチングが良くない)のときは極端に音場が狭くなります。元気が無くなったとか、音にクセがあるように感じる、音楽がこじんまりしてきたという場合は失敗ですので、CUBICやSQUAREを外してください。簡単に元に戻せるのが嬉しいところです。

この仮想マスタリングは、日本のポップスやジャズと特に相性が良いです。クラシックでは、古いソフトを持っていないせいなのか、なかなか成功例が見出せず、私も研究中です。

アナログレコードのカートリッジを交換するような感覚で、ぜひこの仮想マスタリング手法を楽しんでみてください。マスタリング・エンジニアになった気分で、CUBICやSQUAREの種類や数、位置などを調整し、レコードで聴いたあの日の音楽を探してみられてはいかがでしょう。

たくさんの方に仮想マスタリングを楽しんでいただきたいので、レクストダイレクトに7月特売品コーナーを設けました。CUBICやSQUAREをお安くご提供しております。
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ご感想は掲示板まで。楽しみにしております。
2008/07/01(Tue) 18:11:40 | アクセサリー

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